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実績紹介

キャリアデザイン研修 ~組織主導から”私”主導へ~

”私”主導で描くキャリアと行動のヒント

今回は、「社員がやりがいを感じるキャリアを、自分でデザインし、行動できるように支援したい」そんな企業様にご検討いただきたいキャリアデザイン研修のご紹介です。

近頃のキャリア研修のトレンドは、「組織主導から、”私”がやりがいを感じるキャリアへ」です。一昔前まで、来月からこのポジションに異動してください、というように、会社がキャリア決め、個人はそれに従う形が一般的でした。「自分は、管理職ではなく専門職で行きたい」とか、「家族の関係で、今異動するのは厳しいな…」と思ってもなかなか断れないことが多かったのです。

しかし、今、社員の皆さんがキャリアを描くスキルを身につけ、自分が納得するキャリアを歩んでほしい、と考える企業が増えています。なぜでしょうか?

その背景には、①ポジションが限られ、一昔前のように、経験年数で課長、部長といった右肩上がりのキャリアを社員に呈示することが難しくなってきたことや、②ジョブ型やダイバーシティの影響で、年齢や社内外に関わらず、実力に応じた適所適材の人材配置が進んでいること。多くの場合は、現職が「適所」とされるため、違う仕事を経験したければ、社内公募に挑戦したり、日ごろから希望を伝え、スキルを磨き、そのポジションで成果を出せる「適材」であると認められること、が必要になってきています。そして、③創造的で活気ある職場を作る上では、社員が「やりがい」を感じて働くことが不可欠であること。そのため、エンゲージメントに注力する企業が増えてきました。

転職を薦めたいわけではないが、会社主導でのスキルアップや仕事の提示にも限界がある…こうした背景から、参加者が「キャリアは与えられるもの」から「自分で動いて手に入れるもの」へと思考を転換し、具体的に動けるような研修をしてほしい、という企業様からのご依頼が増えました。

個人がやりがいを感じるキャリアには、自分にとって意味のあること・興味関心のあることができ、また、「私は期待され、必要とされている」と感じられ成果も出せていること、の3つが重要です。

まさにこの3点を探求し、自ら行動できるように企画したのが、こちらの研修です。今回の参加者は約40名、2回に分けて実施しました。1回目は「キャリアを描く方法と職場貢献のヒントを得る」こと、2回目は「IDP(能力開発計画)を作り、行動に弾みをつける」ことを目標に行いました。主なポイントは、以下の5つです。

  • 自分の希望や強みを意識して「ありたい姿」を明確に描く
  • 周囲からの期待や改善アドバイスをしっかりと受けとめ、職場貢献の方法を考える
  • 目標達成のための道筋を多方向から考え、具体的な行動計画を作る
  • 人脈活用やアプローチのしかたを学び、実行に弾みをつける
  • 自社のツールやしくみと融合させ、PDCAを促す

では、研修のハイライトをお伝えしましょう。

一つ目は、Will(やりたいこと)、Can(できること)、Must(やるべきこと)のフレームワークを使った、キャリアの描き方です。

意外に思われるかもしれませんが、最初は、「私のやりたいことは何だろう?(Will)」と考えても出てこない方もいます。「〇歳になったら課長、△歳になったら部長」と肩書を書く方もいます。そこで、「なぜ課長になりたいのか? 課長になって何がしたいのか?」と聞いていくと、最後には、「それは課長ではなく、xxの仕事に就けば実現可能ですね」となることもあります。

また、何ができるのか (Can)を考えるうえでは、自分の強みを深く理解することがスタート地点になります。英語やITといったスキルだけではなく、計画を立てるのが得意、問題の根本に迫るのが好き、など強みを認識することが重要です。それが納得できると今度は、どんな場面で使えば、もっと仕事で貢献できるか、がイメージしやすくなります。

この際、いくつか例を出し、グループワークをすると、「役に立てる場面」がいろいろ出てきます。そして、「普通だと思っていたけど、私はみんなよりこれが上手いんだ」とか「こうしたらみんなが助かって、喜ばれるのか」などの発見があり、皆さんの熱量が上がります。

次に、Mustに関しては、周囲からの率直な期待を知ることが重要ですが、普段の話ではなかなか入手できないため、上司や同僚にメッセージを書いてもらいます。すると、周囲の人の温かいまなざしにジーンとくる人や、もっとこうしたら輝けるという期待やアドバイスに「耳に痛いけど当たっている。頑張ってみよう!」とスイッチが入る人も…。

そして、さらに、変化する会社・職場の中で、「私達は何を求められているのか」、「会社として強くなり、個人として成長して充実感を味わうにはどうしたらよいのか」を考えていきます。

すると、今後はこんな場面でこうすれば周りが喜ぶし、私も嬉しい。そして、成果にもつながる…という好循環を生む行動に対して「やれそう」「やりたい」「やらねば」という気持ちが高まります。

二つ目は、会社のしくみと融合させることです。せっかくやる気が高まっても「あとは個人的にPDCA(plan-do-check-action)を回してください」というのでは、実現の可能性が極端に下がってしまいます。そこで、必ずやらなければならないしくみと結び付けることが重要です。

今、1on1やIDP(individual development plan 個人の能力開発計画)を導入している企業は増えていますが、「キャリアや能力開発の話は、あまりできていない」とか、「どのように支援したらよいかわからない」という声をよく聞きます。この企業様にもそんな悩みがありました。

そこで、自分のWill-Can-Mustを基に、短期と中期のキャリアプランを書いてもらい、それをさらにグループでコーチングし合い、ブラッシュアップしていただきました。真摯な好奇心を持ち、GROW (goal, reality, option, will) を使って掘り下げてもらうと、自分で考えていたのとはまた別の気づきや発見があります。

そして、それらを、自社のIDPに書けるレベルまで言語化し、いつ・どんな行動をするか、結果を誰とどのように振り返り、改善していくのか、まで落とし込みます。そうすると普段の職場の活動に埋め込むことができるので、自然に実行する体制が整います。

こうした研修の結果、参加者の皆さんはどのように感じたのでしょうか?

  • 一連の流れと目的が明確で、内容もコンパクトにまとまっており、非常に素晴らしい研修でした
  • 講義とグループワークが上手く連動しており、自分の考えを深めることができた
  • 強みの深堀は初めてだったが、どのように仕事で発揮すればよいかが腑に落ち、大きな気づきがあった
  • 今までは弱みの改善に注力していたが、弱みをチームで共有することの意義が理解できた
  • Will-can-mustの言語化から実効性のあるIDPに落とし込むことができた

といった嬉しい変化を感じるコメントが寄せられました。

最後に

たまに「キャリア研修をすると、社員の目が外に向いて転職してしまうのでは?」と不安を抱かれる企業様もいらっしゃいます。しかし、自立的にスキル強化やキャリア設計できる社員の方が増えれば、職場に活気やイノベーションが生まれることは間違いありません。その果実を皆さんの会社や職場で、味わいたいと思われませんか?

また、このようなキャリア研修を行わなかったとしても、個人が自分の成長やキャリアを考えて場合によっては転職することも、いまや珍しくありませんし、今後ますます増加傾向にあります。

社員が「うちの会社にはスキル強化やキャリアアップの機会があるから、まずは社内でチャレンジしてみよう」と思うのか、「うちの会社は、社内の教育機会もないし、今の仕事にも飽きたから、転職するしかないな…」と思うのか、皆さんはどちらの会社にしていきたいと思われますか?

いち早く、社員の皆さんが求めるスキル・知識を提供する会社へ。そして、高いスキルとやる気を持った社員であふれる会社へ。

皆様の会社の、キャリア・マインドと行動のチェンジをお手伝いをさせていただければ、幸いです。

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