行動変容につながる「組織変革ワークショップ」
コロナから早1年強。DXを加速して新たな事業創造、サプライチェーンの再構築、M&A…と様々なニュースが聞かれる今日この頃。日々やるべきことが増え、ひとりひとりの負荷が上がる一方、リモートワークで意思疎通がしにくくなり、タイムリーにお願いしたり、教えてもらったりして、仕事を円滑に進めることが難しくなっていますよね。
そんな中、自分の業務をしっかり行うだけでなく、会社や部門の重要課題にも積極的に取り組まなければなりませんが、「具体的にどうすればいいの?」と戸惑っている従業員のみなさんも多いのではないでしょうか。多くの方は、指示を待つのではなく、自分の意見を積極的に発言し、失敗を恐れず行動するのがよい、とわかっています。しかし、なかなかそう変われないのはなぜでしょうか?
◆メンバーが一歩踏み出す場づくり
これからは自分で考えてどんどん動いてください、と言われても、これからっていつから? 行動したら周囲からどう思われるか? もし失敗したらどう評価されるのか? など気になりますよね。 これらの意識が邪魔をして、「ファーストペンギン(求められている新たな行動を最初にする人」)になろうという勇気ある人はなかなかでてきません。
今回のご依頼は、製薬企業のある部門のメンバーの方、20名を対象としたワークショップです。ひとりひとりがポテンシャルをフルに発揮して、チームがさらに成長するきっかけとなるものをしてほしいとのご要望でした。
そこで、まず、最初に行ったのが、安心安全な場づくりです。安心安全な場ってそんなに簡単にできるの? と思われるかもしれませんが、実は、「傾聴する。否定しない」というシンプルなグラウンドルールを決めて守っていただくだけで、場の空気が変わるんですね。参加者のコメントを一部ご紹介します。
考え、感じていることを話せる、和気あいあいとした雰囲気が良かったです。
安心・安全な場で、自由にコミュニケーションが取れました。
他の参加者と濃密な話ができました。
リラックスして参加できました。これは、業務にすぐ生かせますね。
◆「うちの組織は素晴らしい」
次に行ったのは、環境の理解です。今、私たちを取り巻く環境はどんなものか? 将来的にはどうなっていくのか? について、いろいろな角度から洞察し、職場への影響を考えていきます。そしてさらに、「私たちはこの環境で、何をすればよいのか?」を考えます。すると、「今、チームにとって一番の課題はこれだ」という事が実感をもって理解でき、「このチャレンジを乗り越えるには、こうしたらいいんじゃないか」といろいろなアイディアがどんどん出てきて、とても活発なディスカッションになりました。参加された方からは、「みんながとても積極的に参加していた」、「いろんな解決策が出てきて、改めてすばらしい組織だと感じた」との声があり、本当に楽しんでいらっしゃる様子でした。
◆気づきを「実践」につなげるには
環境と組織の課題を深く理解したところで、「自分はこれからどう行動すればよいか」を考えていきました。チームメンバーや上司からのフィードバック、自己理解ツールなどを使い、自分の強みや改善点を理解するとともに、強みをどんな場面で使えばチーム貢献できるのかを、日々のレベルで考えてもらいました。強みと改善点はコインの裏表であり、使う場面によって強みにも弱みにもなるので、どんな場面で発揮するのが良い成果につながるのかを具体的にイメージすることが大事です。また、そうすることで、「やれそう!」という気持ちが高まり、実践につながります。
「自分としては普通にやっていることでしたが、実は強みであり、共有することでチームが非常に助かるという事がわかったので、今後は積極的に発信していこうと思います」、「現在の業務や他部門との連携で、自分の強みを活かして貢献することを、常に考えていきます」 など力強いコメントが多く聞かれ、とても盛り上がりました。
また、沢山のディスカッションの過程で、「同僚の人となりや得意なことを知り、相手に合わせたコミュニケーションをしていこうと思いました」、「皆が変わり続けなければならないと思っていることがわかったので、わたしも置いていかれないように変化し続けます」、「自分の欠点を補ったり、長所を活かしたりするには、まずは行動することが大事だとわかりました」といった発言があり、新しい行動へのコミットメントが生まれていました。
最後に、こうした環境、自己、他者に対する深い理解に基づいて、行動計画を宣言していただいたものがこちらです。
日常業務や会議の中で相手に合わせた提案方法を考え、積極的に自分の意見を発信していきます。
今までは、自分が発言したり、行動したりすることに遠慮がありましたが、どのように部署に貢献していけばよいかがわかり、背中を押してもらえました。
強みを活かそうと思うと、自然とポジティブになります。強みを伸ばし、それを活かせるような場面を見つける楽しみが増えました。
なりたい姿を実現し、自分の強みを生かして組織貢献できるように、今回の資料を定期的に見直します。
◆結果は?
今回もコンテンツ作成からオーダーメードとなりました。2日間の事後アンケートでは、100%の方が「ワークショップに参加して意識が変わった」と回答され、研修への満足度、講師への満足度は、ともに100%と嬉しい評価をいただきました。このような高評価は、ご依頼いただいた部門の方々の篤いご協力があってのことであり、心から感謝申し上げます。
◆行動変容には何が必要なのか
行動パターンを変えるには、今までと違う考え方と、自分で気づくこと、が有効です。そのため、今回は、環境や自分とチームメンバーをいろいろな角度から理解するしかけを入れ、各人の個性を深く理解する対話の機会を多く設けるデザインにしました。教わるのではなく、情報を洞察したり、フィードバックをもらったりして自ら気づく。そして、気づきを言葉にすることで、さらに多くのフィードバックを得る。これを繰り返していくと、心理的に安全な場と、「一歩踏み出してやってみよう!」という自発性が生まれます。先の宣言でも、「私はこうする!」と力強く語られており、みんなが応援し合う、ポジティブなエネルギーにあふれた場になりました。宣言に同席した上司の方々が非常に喜ばれていたのは言うまでもありません。
◆お問い合わせ
教えるのではなく、自ら気づいて行動する、そんなワークショップにご興味がございましたら、こちらからお問い合わせください。