リコー マネジメントカレッジ(管理職プログラム)- 効果的な面談
460名の管理職の方に「効果的な通常の1on1、期末面談研修(実践編)」を実施させていただきました
リコー様は、OAメーカーからデジタルサービスカンパニーへの変革期で、様々な改革を行われており、ジョブ型人事への移行もその一つです。社員一人一人がリコーバリューを発揮して自律的に動き、お客様が喜んでくださるような新たな価値をどんどん創造していく。それが、社員や会社の成長と働く歓びにつながっていく。…そんなサステナブルな成長サイクルを追求し、地道な種まきを続けられています。
その中で鍵になるのは、現場の管理職と社員との対話です。日々の1on1、期末面談、評価のフィードバック面談…いかにこれらの対話の質を上げていくかが、社員の行動や成果を変えていきます。
人が行動を起こすには、「やりたい(will)」「やらねば(must)」「やれる(can)」のバランスが大事です。「やりたい」だけでは長続きが難しいですし、「やらねば」だけだと疲弊します。そして「やれる」と思えなければ、最初から諦めモードになってしまいます。
ですから、社員が「やりたい」「やらねば」「やれる」という気持ちになれるように、マネージャーはどのように面談を準備し、実際の会話を進めていったらよいのか、今回は「実践編」として、ケーススタディを中心に行いました。というのも、昨年、「基礎編」を行い、すでに「マネージャーの4つの役割:リードする、管理する、支援する、育成する」については、意味、やり方、ツール、事例などを学んでいただいているためです。
「わかっていること」と「やっていること」は、やはり違う
「あなたはマネージャーとしてうまく面談ができていると思いますか?」と漠然とした質問をすると、8割の方は「できている」と答えられます。しかし、実際のケースで「ティーチングのポイントはこの5個、コーチングのポイントはこの5個ですが、いかがでしたか?」と具体的に質問すると、正答率が9割のものもあれば、3割以下のものもありました。
ですから、「もう何度も聞いた、知っている」という段階から、「できる、やっている」という段階に進んでいただくには、まずこのギャップを認識していただくことが第一歩です。そして、「ここはやっていなかった(できていなかった)」というポイントについて、なぜそれが重要かを理解し、「実際にはこんな言い方をすればいいのか、これならできる!」と思っていただくことが重要です。
たとえば、コーチングひとつとっても、コツは、傾聴、受容、質問、承認だとわかっています。しかし、「言われたことを受け止めて、さらに掘り下げるにはどんな言い方がいいの?」「承認するって、何をどう誉めればいいの? 取ってつけたような不自然な感じにならない?」という疑問が湧き、実践するのは結構大変です。
研修は、ケーススタディ ➡ ポイント解説 ➡ 模範演技 ➡ 解説 で
そこで、今回こだわったのは、現場目線で実際に使える!という事です。管理職の方々がどんな場面で困っているのか、ヒヤリングさせていただき、状況や社員のタイプなどを洗い出しました。その上で、場面は、通常の1on1、期末面談、評価フィードバック面談の3つに絞り、社員のタイプは、寡黙でほとんど自分から話さないタイプ、ああ言えばこう言うタイプなどを想定してケースを作りました。
また、各場面でマネージャーが苦労するケース(注意をしなければならない場合、好業績者で申し分がない場合、評価が悪いことを伝えて業績改善を促す必要がある場合、など)をリアルに想定し、演習を行いました。
具体的な研修の進め方は、まず、自分で演習をやって頂きます。その上で、面談で伝えるべきポイントの解説を行い、答え合わせをします。そして、ポイントを理解していただいたうえで、例えば、「好奇心をもって社員に問いかける」は、実際にどのように行えばよいのか、 模範演技をお見せします。そしてさらに、この会話がなぜ良いのか、「こんな風に質問で深堀していきます」、「この言い方が自然な承認ですね」、「ここは注意を促していますが、I-messageが使われているので、相手が受け止めやすくなっていますね」などと解説をしていきます。
その結果、参加者の皆さんからはこのようなコメントを頂きました。
自分ができていないことがわかった
- 面談の手法が論理的に体系的にまとめられており、非常に感心した。とくに、自分は、面談の冒頭と最後の部分(きちんと目的を伝え、次の段取りをする)が、いい加減になっていたことに気づきました。
- コミュニケーションの取り方で、深堀が足りないなと認識したので、今後はここを補いながら対応していこうと思いました。
- 事前課題と模範解答の差が大きく、自分の準備や知識・経験不足がよく分かった。
- 経験に頼ったやり方では抜け漏れが出る。自分が抜けてしまう項目が良く分かった。
- 日常業務の中で出来ていないことを再認識しました(知識はあるが、技になっていない)。
- これまでは自己流のマネジメントで、自分の1on1のやりかたの癖や改善点を確認できた。
- 長年付き合いのある気心知れた部下と馴れ合いに近い面談となっていましたが、存在承認、受容、I Messegeなど基本に立ち返る必要性を感じました。原点に戻り、やり直してみます。
研修の流れが効果的
- 資料の読み込み ⇒ 演習中心の研修 ⇒ 解説という一連の流れの研修は、非常に良い取り組みだと思うので是非続けて頂きたいです。
- 事例 ⇒ 解説 の流れで、いろいろなケースを繰り返す事で理解が深まりました。
大事なポイントが明確、簡潔
- 会話の基本が明文化されてわかりやすい。
- 事例に対しての解説があったのがよかったです。
- 重要な部分を繰り返し解説頂いた事で、より理解を深める事が出来ました。
- 言葉でポイントを言われるより、会話例と解説で示されると実感が湧く。
実用的(使える)
- 期末面談やフィードバックについて不安を抱いていたが、今回の研修でかなり気が楽になった。
- これまで悩んでいた具体的な課題に対するヒントが多くあった。
- 各場面での面談の進め方(模範解答)やシナリオ(模範演技)が非常に参考になりました
- ロープレの良い例がとても参考になったので、今後真似してみようと思う。
- コーチング、ティーチング、I-messageなど具体的な事例が実用的でわかりやすい。
- ありそうな事例で、判り易かったです。実務に応用できると感じました。
- スキルの定着には非常に有効な研修であった。
エンゲージメント
- フィードバックの内容によって人のモチベーションに大きく影響することを、より意識しなければいけないと考えさせられました。
- 組織職としての、部下に接するときの役割の広さと深さを感じました。
- 今までは指摘することが多く反省しました。もっと聞くことを大切にし、一緒に考え、解決していこうと感じました。
- 1人ひとりの状況をしっかり把握し、仕事以外の状況にも気を配り、サポートしていくようにしたいと思いました。
- 相手の感情面のニーズに気を配る重要性を認識し、高める動機付けになりました。
- コーチング、ティーチング共に、常に相手がポジティブになる接し方、自らが考えて話をしてもらえるように会話をすることの重要性が理解できた。
- 改めて傾聴や共感の大切さを感じました。
- エンゲージメントを上げようと模索する中、よいタイミングで学ぶことが出来た。
- 新しい働き方を進めていく上で、メンバーの成長意欲を引き出すために、これまで以上に意識的に行わなければいけないことがわかり、多くの気づきを得ました。
やりたい
- 一過性のものではなく、継続的かつ自分のものとなるよう、手法の確認ができるように資料は手元においておきたいと思います。
- 一方的な形になりがちだった自分のこれまでのスタイルを改め、相手が対話しやすい方向に仕向けていく、「共感する」「尋ねる」などを意識的に取り入れます。
- 事前にコーチングとティーチングの流れで計画を考えていきたい。
- まずは基本に忠実に実践してみます。特に感謝の気持ちを伝えることは恥ずかしがらずにやってみます。
- 業務以外の状況についても日頃から1on1などを通じて把握し、マネジメントに生かしていきたいと思いました。
- 部下とのコミュニケーション密度をあげ、部下の気持ちを傾聴し、理解し、指導育成を行い、ポテンシャルをひきだそうと思います。
- 面談後のモニタリングと結果のフィードバックのサイクルを回していきたいと思います。
実践できそう(やれそう)
- 1on1実践の勘所を繰り返し教えていただけたことで、マニュアルを見なくとも実践スタイルが身についてきたと思える。
- 自分の問題点の洗い出し、改善後のイメージを付け易かった。
- 何事においても基本は大切です。本研修はその基本を明文化して頂いたという意味において非常に価値のある研修であったと感じています。現場においては基本通りにいかない事もありますが、基本を軸にすればGAPを顕在化しやすく、またGAPを顕在化できれば対策も打ちやすいので、本研修を今後のマネジメントバイブルとして活用させていただきます。
ご相談は…
1on1を導入しているが社員のエンゲージメントが今ひとつ上がらない、マネージャーとして評価面談が不安、プレイングマネージャーで人を育てる時間がない、…などのお悩みがありましたら、こちらから当社へお問い合わせください。